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建築工事と土木工事の違いとは?それぞれの仕事内容を徹底解説!

建築工事と土木工事、どちらも私たちの生活と安全を守るために必要不可欠な仕事です。
業界に詳しくない人でもよく耳にする両者ですが、混合されがちで明確な違いはわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、建築工事と土木工事の概要を説明しつつ、2つの工事の違いについてわかりやすく解説していきます。
建築・土木業界のことを学びたいという方、ぜひ当記事を最後まで一読ください。

建築工事と土木工事の違い

建築工事とは?

建築工事とは、住宅やマンション、高層ビルや大型商業施設といった建築物を建てるために行う工事のことを指します。

仕事内容は多岐に渡り、扱う建物によっても異なりますが、大きく内装・大工・電気などの「各種の工事業務」、従業員の命を守るための「安全管理」、作業員への情報伝達やクライアントに進行状況を報告したりする「指導・監督業務」があります。

土木工事とは?

土木工事とは、道路やトンネル、下水道といった建物を建てる建築工事以外の建設工事のことを指します。

建築工事と同じく3種類あり、建物の基盤造りのために行う「基礎工事」、土留めや石積みを行い土地を整備する「造成工事」、塗装工事・造園工事など、建物以外の工事を行う「外構工事」があります。

建築工事と土木工事の違い

上記で解説したように、建築工事と土木工事いずれも構造物をつくる仕事ですが、扱う対象や目的は異なります。

両者の違いを簡単に表現すると、マンションや公共施設を建てる建築工事は「地面の上」、道路やダムだけでなく、下水道の配管工事なども含む土木工事は「地面の下」と呼ばれています。

建築工事をする際、土台部分がしっかりしてないと建物の安全性が脅かされてしまうため、まずは基礎工事や造成工事を行わなければなりません。
つまり、私たちの生活を支える建物は、建築工事と土木工事どちらが欠けても成り立たない重要な仕事なのです。

建築・土木共通の課題

建築・土木を含む建設業界全体の課題として挙げられるのが、深刻な人材不足と従業員の高齢化です。

少子高齢化が進む日本国内全体の課題ではあるものの、建設業界では特に顕著に現れており、国土交通省のデータによると現在働いている人の約35%が55歳以上、29歳以下は約12%と次世代への技術承継が大きな課題となっています。

建物の老朽化は待ってはくれませんから、こうした課題を解消するためにも、労働条件の見直しやAI・ICT、ドローンといった最新のデジタル技術を導入して生産性の向上を図るなど、問題解決に向けた迅速な対応が業界全体で求められています。

(出典:建設業を巡る現状と課題(国土交通省)

建築工事の具体例

建物全般を造る建築工事ですが、どのような種別の建物に携わるのか具体例を簡単にみていきましょう。

住居

まずは、一戸建てやマンション、アパート、デザイナーズハウスなど、人々の暮らしに必要な衣食住の「住」を支える居住施設の建築です。

新築住宅の場合は、土地の取得から基礎工事、内装・外装まで、これらの工事を一括して請け負うのが一般的で、既存住宅の場合は、改修工事・リフォーム工事などを請け負います。

公共施設

学校や郵便局、病院などの公共施設も、私たちの生活に欠かせない施設で、ここでも建築関係で働く人たちが活躍します。

主な公共施設

郵便局・日本郵便、学校、警察署・交番、消防署、病院、保健所・保健センター、法務局、税務署、図書館、裁判所、公民館、児童館、会館・ホールなど

商業施設

生活する場所だけでなく、オフィスビルのような働く場所から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、大型ショッピングモールといった商業施設でも、新築工事やメンテナンス工事などあらゆる種類の工事を請け負います。

主な商業施設

オフィス、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、アミューズメント施設、ドラッグストア、百貨店、デパート、量販店といった大型ショッピングモールなど

土木工事の具体例

土木工事の仕事も多岐に渡り、道路工事からダム工事までさまざまです。
ここからは、土木工事の代表的な工事をみていきましょう。

躯体工事

まずは、建築作業のメインともいえる「躯体工事」です。
躯体(くたい)とは、柱や壁、土台、床、屋根など、建築物を支える構造体のことで、躯体工事は全体の70%以上を占めることもある非常に重要な作業になります。

躯体工事に欠陥があると、建物の耐震性や耐久性を低下させる要因となり、ほとんどの場合やり直すことができません。
そのため、躯体工事は確実な施工が不可欠なプロセスであり、幅広い知識と責任感が求められる仕事といえるでしょう。

鉄道工事

鉄道のような交通インフラの整備も、土木部門の重要な仕事です。

鉄道工事には大きく、電力関係の工事を行う「電気設備部門」、運行に必要不可欠な線路やトンネルの保守・管理を行う「保線・土木(建設)部門」、駅全体の改良工事や新設工事などを行う「建築部門」の3つがあります。

JR渋谷駅改良工事

白岩工業では2024年現在、100年に一度の大規模工事と呼ばれる「JR渋谷駅改良工事」にも携わっています。これまで、線路やホームの切り替えなどを数回行っており、2023年の1月には山手線ホームの切り替え工事を実施。ニュースでも話題になったため、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今後は線路ホームの改良工事なども実施予定です。

大規模工事の取り組みや現場の様子については担当者インタビューも公開しておりますのでぜひご覧ください!

施工管理の現場仕事ってどんなことをやるの?大規模工事に携わる社員へインタビュー!

道路・トンネル工事

土木工事の代表的な仕事が、道路やトンネルの開設・改良工事です。

土で路床を造るところからスタートして、上に砕石を乗せてローラー重機で踏み固め、熱したアスファルトを敷きならして表層を造っていきます。
多くの人や車が使う場所なので、頑丈であることはもちろん、街の景観を損ねないよう見た目の美しさも重要になります。

ダム工事

ダムの形状は重力式、アーチ式などさまざまなタイプがありますが、ダム工事の種類は大きく「砂防ダム工事」「貯水池ダム工事」の2つがあります。
砂防ダムは、土石流の発生を抑えるために造られるダムのことで、上流から流出する土砂を一旦受け止めて、少しずつ下流に流れるように調整していきます。

貯水池ダムは、利水や治水として利用するために人工的に造られた湖のことで、大規模な工事になるため、まずは工事用の道路を造るところからスタートします。

河川・海岸工事

ダムだけでなく、河川工事・海岸工事も、台風やゲリラ豪雨、線状降水帯などによる自然災害から人々の生活を守るうえで欠かせません。

河川工事では、氾濫や洪水を防ぐための堤防や水門の建設、脆い川底を強化して氾濫のリスクを下げる床止め工事などを行います。
海岸工事では、高波や高潮、津波などの災害から人々を守るために堤防の設置や修繕を行ったり、消波・防波を目的に波打ち際からはなれた沖に、あえて人工的な浅瀬をつくる人工リーフ工事などを行います。

下水道工事

私たちの日常生活に欠かせない、下水道を正常に機能させるための工事も土木工事に含まれます。

現地調査や家屋調査からはじまり、下水道管を設置するための基礎を造ってから、汚水を本管へ流すための排水枡を取り付け、再び道路の舗装復旧工事を行い完成となります。

空港建設工事

空港建設工事では、航空機運航への影響を最小限に抑えつつ、安全に離着陸・走行を行えるよう工事を実施していきます。

施設の新設や拡張、老朽化した施設の解体なども行い、海上工事では護岸築造工事・埋立造成工事といった、より高度な知識と技術が必要な工事を行います。

橋梁(きょうりょう)工事

河川や海を渡るための橋を造る工事を橋梁(きょうりょう)工事といいます。
工事手順は、まず土台となる下部工で橋を支える基礎を作り、本体となる上部工で橋脚の上に桁橋を設置して道路を作ります。

そんな交通インフラを支える橋ですが、最近は老朽化が進んでいる橋も多く、2028年には橋梁の半数が耐用年数を超過すると言われており、人材不足の早期改善が求められています。

まとめ

今回は、建築工事と土木工事の違いを説明しつつ、双方の仕事内容や業界全体の課題についても解説してきました。
私たちが日々生活している建物を建てるためには、建築物そのものはもちろん、その土台となる基礎工事を行わないと建物の安全性は守られません。

つまり仕事内容は違えど、建築工事と土木工事どちらも人々の生活と安全を支える大切な仕事なのです。
課題も少なくありませんが、今後も需要が尽きない業界ですので、興味があるという方はぜひこの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

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