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白岩工業の現場紹介 02「横浜湘南道路トンネル工事」

今回の記事では、白岩工業が現在手掛けている現場の1つである「横浜湘南道路トンネル工事」についてご紹介していきます!

工事概要

本工事は現在工事をしている最中の現場であり、横浜湘南道路トンネルにおいて地下に上り線と下り線それぞれに長さ約5.4㎞の高速道路をつくる工事です。このうちの2㎞分を白岩工業が施工しています。
トンネルの施工方法は、地上にある国道1号への車の通行に配慮し、周辺地盤や地下水に対しても安全に施工をすることができる「シールド工法」を用いて作ります。

工事名:横浜湘南道路トンネル工事
発注者:国土交通省関東地方整備局 横浜国道事務所
施工者:西松・戸田・奥村特定建設工事共同企業体
工事内容:泥水圧シールド工法(Φ13.2m)

横浜湘南道路 平面図

横浜湘南道路 断面図

事業内容

横浜湘南道路は、都心から半径40~60㎞の3環状道路の一番外側に位置する、全長約300㎞の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部で、都心部の通過交通の抑制と流入を分散し、渋滞の緩和による走行時間の短縮や周辺地域の環境改善を担っています。

横浜湘南道路の開通により、「高速横浜環状南線」や「さがみ縦貫道路」、既に完成している「新湘南バイパス」と一体となって首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部を形成します。

それにより広域的な交通の円滑化を図るとともに、地域交通の交通分担を適正化し、国道1号等の交通混雑を緩和する延長約7.5kmの自動車専用道路です。

本工事は自動車専用道路一部区間の上り線・下り線をシールド工法により築造するものです。

シールド工法とは?

「シールド工法」という言葉にあまり聞き馴染みのない方もいらっしゃるかと思います。
シールド工法は、トンネルの外壁を造っていく工法のひとつで、皆さんが普段利用している道路や高速道路にあるトンネルもこの工法を使って造られているものがたくさんあります。

現場紹介の前に、まずは、シールド工法について紹介します!

シールド工法の特徴

シールド工法とは「シールドマシン」と呼ばれる筒状の機械で地中を掘り進めながら、掘り進めた部分が崩壊しないように、シールド機内で「セグメント」と呼ばれるブロックをリング状に組み立てて、トンネルの外壁を造っていく工法です。
特徴としては、都市部などの地上が開発されている場所や、河川下などの地下水の多い場所においても、地上を開削せず安全にトンネルが造れることです。

シールド工法の手順

シールド工法の手順は大きく以下の4つに分かれます。

01. 準備工(施工に必要な設備を地上に作る工事)
02. 初期掘進工(本掘進工のテスト工事等)
03. 段取替工(本掘進工のためのさらなる準備を行う工事)
04. 本掘進工(本格的に掘り進めていく工事)

一つずつ詳しく見ていきましょう!

01. 準備工

シールド工事の現場はまるで1つの工場のようになっています。地下でシールドマシンを用いて土を掘り進めるには、地上にシールドマシンの使用のための設備施設であるプラント(工場のようなイメージです)を設置する必要があります。
また、シールド工事では大量の資材や設備を搬入するため、設備搬入のための土台作りも行います

02. 初期掘進工

シールドマシンはジャッキの力でセグメントを推して前進しますが、セグメントと地山の摩擦力がジャッキの力を上回るまで、立坑内に組み立てた仮セグメントを押して前進します。
仮セグメントを撤去するためには、ある一定の距離を掘進する必要があり、その掘進期間を初期掘進と呼びます。

また、シールドマシンは制御盤等の機械類を載せた後続台車を牽引しながら前進します。このようなシールドマシンを動かすための装置・設備の組立てをシールドマシンの後ろのトンネル坑内に設置するまでの掘進期間が初期掘進です。

03. 段取替工

稼働テストが終わると、次は掘進に向けたさらなる準備工事を行います。大きな設備のための基礎を作ったり、地下でシールドマシンが掘り出した土を地上へ運ぶためのベルトコンベアーの製作など準備工事は多岐にわたります。
現在横浜湘南道路トンネル工事では、段取替工の段階に当たります!

近隣への騒音被害や粉塵などの拡散を防ぐために大型の防音ハウスを建設します

04. 本掘進工

全ての準備が整ったら、ついに本掘進工(本工事)に取り掛かります。
シールドマシンの先端面である「カッターフェイス」がゆっくりと回転し地盤を削っていき、掘削により出た土はベルトコンベアーに乗せられ地上へ運ばれて行きます。

実際に現地にて使用されたシールドマシン

掘った部分は崩壊しないように「セグメント」と呼ばれるブロックをリング状に組み合わせトンネルの外壁を造っていきます。トンネルの直径が大きければ大きいほど1リングに必要なセグメントの個数も増え、本工事のトンネルでは1リング=10個のセグメントが使用されています。

セグメント(写真左)をリング状に組み立てていきます(写真右)


掘った部分が崩壊しないようにセグメントを組み立て、トンネルの外壁を造ります

道路や鉄道のためのトンネルでは、車や電車が走るための床版(フラットな面)が必要です。セグメントをリング状に組み立て終えると「床版工」と呼ばれる道路の基礎を造る工事に入ります。

現場の人の声

今回は岡留所長、井上課長、加藤さんにお話を伺ってきました!
皆さま、ご協力ありがとうございました!

岡留所長

岡留所長、ご協力ありがとうございます!

Q1. 本工事においてこだわった点や苦労した点を教えてください

建設業において物を作るということは重量物を扱ったり、高い場所で作業をしたりするということになるので、作業員の皆さんが怪我無く安心して作業ができるようにみんなで考えながら工事を進めた点です。
そのためにも計画の段階から先々のことを考え、危険個所を洗い出し、事故無く安全に作業を終えることができるよう元請けとも話し合いをしました

苦労した点といえば、これはどの現場でも当てはまることですが、時間サイクルの管理が大変だったことです。
シールド工事は決まった作業サイクルをいかに短く行い、1日に掘り進めるトンネルの距離をどれだけ伸ばせるかが勝負になってきます。そのためにも各作業にかかるおおよその目安を考え、それを元に1日にどのくらいの作業ができるのかを考えて時間サイクルを管理しなければなりません。

また、シールド工事では大きな資材が沢山搬入されるので、作業の邪魔にならないように資材置き場を管理するのも大変でした。シールド工事の現場は工場のようになっており、決まった敷地の中でどのように資材を管理するのかをきちんと考えなければいけません。

現場の大きさを例えるなら、横浜湘南道路トンネル工事は1つの現場でありながら、まるで1つの工事事務所、あるいは営業所のようなものです。敷地内で常に並行して複数の作業を行う現場があり、それらすべてを取りまとめなければなりません。営業所がいくつかの工事現場を担当しているのと似ていますね。
広い敷地内でさまざまな作業が行われていますが、それらの多くを白岩工業が施工を行っています!

Q2. 現場技術担当者として、心掛けた点などがあれば教えてください

どの現場でも同じではありますが、現場技術担当者として、また施工管理者として重要なことは現場の安全を守ることです。常日頃、作業員さんたちが一日怪我無く気持ちよく働けるように、事故のないように安全第一を心掛けてきました。

Q3. この先の本工事における目標や意気込みを願いします!

これからおよそ2㎞のトンネルを掘り進めていく作業に入るにあたり、元請けさんからは安全事項・目標施工量など多くの要望・依頼があります。お客さまのご依頼にお答えするためにも、1つのミスで作業員さんが怪我をしないように、また工事が止まることのないようにしっかりと準備・段取りを行い、無事故で工事を進めていきたいと思います。

井上課長

「主職一次として」という責任感と意気込みを感じるインタビューでした
井上課長、ご協力いただきありがとうございます!

Q1. 本工事においてこだわった点や苦労した点を教えてください

これからの話になるのですが、トンネルを掘り進めるなかで地盤の固さや、掘った土の運搬が課題です。この現場では大量に掘削した土が出てくるので、それらをうまく捌かなければなりません。まあ、何とかなるでしょう!!
これからの若い人材に期待しています!

Q2. 現場技術担当者として、心掛けた点などがあれば教えてください

主職一次として、また白岩工業長年培ってきた経験をもとに元請けさんへ一番良い方法を提案することです。近年では新しい建設機械が開発されていますが、それを使って作業を行うのは結局人間です。施工の仕方を一番理解している私たち施工管理者が、元請けさんへ提案をしたり、技術を若手に教えたりしていく必要があると考えています。

例えば資材の搬入一つにしても、「その日に使うものはその日に搬入」が基本です。現場の敷地も限られているので、発注のタイミングを間違えれば保管場所に困る、資材があるせいで作業場が無くなって困る、整理整頓ができてないと安全面にも影響が出てしまいます。

さらに整理ができていない現場は汚く見えてしまい、業界への悪いイメージにも繋がりかねません。

Q3. この先の本工事における目標や意気込みを願いします!

シールド工事は他の工事と違い重量物が多く大きな機械・設備・資材を取り扱っています。ちょっとしたミスが重大な事故・怪我につながってくるので、最後まで気を抜かず無事故無災害で管理していきたいと思います。

加藤さん

加藤さん、ご協力いただきありがとうございます!
無事故無災害でこの先も頑張ってください!

Q1. 本工事においてこだわった点や苦労した点を教えてください

現在は段取替工という、本工事(本掘進工)の準備段階に当たる工事を行っています。自分たちが使用するものを準備する段階になるので、どうしたら職人さんたちが作業しやすくなるかなど本工事のことを念頭に置いて工事をしています。

また、この現場は私が入社してから初めての現場なので、まだ完成物を見たことがありません。そのような段階でどうしたら職人さんが使いやすくなる・安全に作業することができるのか考えるのは難しいところです。

Q2. 現場技術担当者として、心掛けた点などがあれば教えてください

入社2年目の自分が心がけていることは、現場の状況を早く正確に上司に伝えること、報連相を徹底させることです。
朝・昼の作業終了後には仕事内容の報告と、これから行う作業の確認や指示を仰ぎます。

また、現場で予定外の出来事や事故が起きた時には、その後の対応もあるので早く上司に報告しなければなりません。自分で対処できること・できないことの分別を付けるようにしており、できないことに関してはすぐ報告するよう心がけています。

Q3. この先の本工事における目標や意気込みを願いします!

無事故無災害で最後まで行きたいです!
横浜湘南道路トンネル工事が初めての現場なので、その分工事にかける気持ちや現場の方々との思い出も沢山あります。日々ともに働く皆さんに怪我があってはいけませんし、命にかかわるような出来事は尚更です。
そのようなことが絶対にないように、無事故無災害でこの先も進めていきたいと思います!

インタビューにご協力いただいた3名の皆さま、ありがとうございました!

まとめ

今回は横浜湘南道路トンネル工事についてご紹介しました!
この工事ではシールド工法を用いることで、地上で暮らす私たちの安全を守りながら、地下では渋滞緩和など人々の快適な暮らしのための新しい高速道路を造ることが可能になっています。

これから本掘進工もはじまり、工事も本格化していきます!
安全第一、無事故無災害で頑張っていきましょう!

白岩工業の現場紹介 01「外環中央JCT北側ランプ(その2)工事」

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